夢之介日記08

今回は土用の梅の干し方です。
前回、赤紫蘇とともに漬けておいた梅は、味も馴染んで来ましが、良く見るとまだ色がきちんとついていません。
それぞれに漬かり方も違い、ムラもあります。
この天日で干す作業で、色もしっかりついて水分も抜け、いつまでも変わらず美味しく食べられるようになります。

梅干し(其の弐)

ぺっこり夢
千柳軒看板

■7月土用の天日干し■

梅をザルに広げる

水回し
赤紫蘇と漬け込んで置いた梅を取りだし、竹のザルに並べる準備をします。
金属星の器具は18-8ステンレス以外は腐食するので材質を確認しておきましょう。
壺の蓋を開け、重石を取り出して中の梅と紫蘇をザルに取りだし、梅酢は別にしておきます。
梅は丁寧にザルに並べます。

練りまとめ ←瓶から出した梅は、赤紫蘇の色がしっかり染まっているものから、もとの色とほとんど変わらないものまで、バラバラです。
でも心配はいりません。赤紫蘇の色が鮮やかに出ている梅酢に、梅を浸して天日にあてると、梅の色は鮮やかになって行きます。
赤梅酢も天日にあてることで、より鮮やかな色に変化します。
まず最初は、ザルに並べた梅の表面が乾燥するのを待ちます。
太陽が当たらないときは時間がかかりますが、風通しの良い場所で乾燥させます。

梅を干す

麺棒伸し
麺切り出し
梅は乾くと表面が白っぽくなってきます。
その梅を1日に1〜2回、赤梅酢に漬けて、ザルに戻し、天日にあてて乾燥させます。
1〜2回乾燥させると、次第に梅の色は濃くなって、ばらつきも目立たなくなってきました。
乾燥すると白っぽくなります。
3〜4日、丁寧に梅酢に漬けては乾燥を繰り返すと、梅干しらくなってきました。
夜は家の中に取り込み、最後の日は一晩外に出して夜露にあてます。

茹で上げ
←しっかり乾燥させた梅です。
水分が抜けて、梅干し特有のしわが、はっきりしてきました。

表面には少し塩の結晶が白く浮いているところもあります。
天日干しは、晴天が続けば3日ほど、曇りなどはさむと7日ぐらいかかります。
梅を干すと太陽で殺菌され、水分が抜けることで長期間保存することが出来るようになります。
もちろん、味も美味しくなることは間違いありません。
梅干しは人間の寿命と同じぐらい持つと言われています。
夢之介に梅干しを教えてくれた友人は、田舎に帰ると自分と同じ歳の梅干しがあるよと自慢しました。
水分が抜けて塩が結晶しているけど、梅干しとして囓ることができるらしいです。

最後の仕上げ

水洗い 肉豆腐うどん
最後に赤紫蘇で蓋をするようにかぶせ、赤梅酢をヒタヒタになる程度に入れたら、落としぶたでおさえ、軽い重石をのせて冷暗所で保存します。
梅の間に赤紫蘇を詰め、きれいに重ねてゆきます。
この赤紫蘇も赤梅酢とともに太陽にあてておくと、殺菌効果とともに味も良くなります。
きれいに洗って消毒した瓶に、干した梅を戻します。
このとき、焼酎を少量ふりかけながら入れると、殺菌効果に加え、皮がしっとりとした仕上がりになります。

■赤梅酢■

残った赤梅酢は、料理に使うと絶品です。
梅酢と塩も入っているので、これで漬け物もできますし、サラダのドレッシングにも最高。
漬けた人しか手に入らない、自家製の調味料なので、思いっきり自慢してしまいましょう。

■赤紫蘇■

残った赤紫蘇は、天日で良く乾燥させ、細かくすりつぶすと「ゆかり」になります。
「ゆかり」は、市販されていますが、ふりかけのようなもの。
これに炒った胡麻を混ぜたり、いろいろ工夫すると、ご飯がますます美味しくいただけるようになります。
昔の知恵には、無駄なものが何もありません。

梅干しは秋になったら、いただくことができますが、年をこした方が味も馴染み美味しくなります。
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