木村さんの「廊下・横」がベスト10のトップを続けています。
先が見えない時代だからでしょうか、年齢層の高い男性層は懐かしさからか、若い女性層には目新しさが受けているのかも知れません。
代官山辺りでも、路地の中にある古い家をそのままお店にしていたり、歴史を感じさせるものへの見直しが進んでいるようです。
日常の中にある文化は、空気のようなものなので、なかなかその良さに気がつきません。自分たちの文化を大切にして、育てて行くのなら、歓迎すべきことですが、ただ単に現状が苦しいので、華やかだった過去を振り返っているだけ、だと辛いですね。
Giorgioさんの「Vivian Rose」は今回も2位となり、「カナリア」に続いてゼネラルイメージとなりました。
入れ替わるように登場した「揚羽のパヴァーヌ」も、初回から7位と飛ばしています。
Giorgioさんの作品は、女性層のファンが強く独特の世界を作りあげていますが、これからの日本の文化の中で大きく成長する可能性のあるジャンルだと思います。
カリグラフィーも日本ではメジャーなものではありませんが、それだけに装飾的なイラストレーションの分野での可能性があるのではないでしょうか。
開楽さんの「ガマン大会」が3位となりました。
開楽さんの他の作品も、次第にファンが広がってきたようです。
支持される方も若い女性に限らず、年齢層の高い男女層も面白がってくれていますが、年齢が低い層には分かりにくいようで、大人向けの作品と言えるでしょう。
メッセージ性の強い作品なので、作家の個性が伝わってきます。それだけにチャネルを選ばないと、その良さが伝わらないとも言えるでしょう。
山崎さんの「空2」は、ベスト10連続記録を9回にのばし、今回は4位となりました。
「空シリーズ」は、他にも「青」の作品が並んでいますが、この「空2」に続くものはまだ出てきていません。
「青」の先にあるものは、まだ見えていないようです。
もとさんの「南海の芽吹き」が、今回は5位となりました。
恐らく次回は、「常春高原」「空中遊覧」に続いて、ゼネラルイメージになると思います。
「ヒーリング・シリーズ」の作品は、最近は日本の風景なども検討していると言うことで、次の作品が期待されています。
荒木さんの「もの想ふ」が、2回目のベスト10入りで6位となりました。
イラストだけでなく、写真でも立体でも幅広く活躍されていますが、その視点はやはり絵画的なところが強いようです。
さまざまな可能性にチャレンジされていますので、全体の方向性がまだはっきりしませんが、もう少し焦点が絞られれば、作家としての個性が、もっと活きてくるのではないでしょうか。
なおねこさんの「すいか」も、2回目のベスト10入りで8位となっています。
なおねこさんは、荒木さんと反対に「なおねこ」ひとつで、作家名も描かれているキャラクター名も同じです。
それでも「なおねこ」のイメージは、まだ固まっていないとのこと。それは描き続けていれば、自然に見えてくることなので、今のまま、自然体で続けていただきたいと思います。
佐藤さんの「恥ずかしがり屋のポスト2」が、今回は9位となりました。
「恥ずかしがり屋のポスト」シリーズも、「顔のある風景」の中で、いよいよ本格的に広がりを見せてきたようです。
佐藤さんの作品は、いつの間にか広がって定着するものが多く、新しいものを提案しながら成果もしっかり残しています。
インドの撮影から戻って、少しずつ雑誌などで発表も始まりました。
次の広がりは、どんな形から始まるのでしょうか。
あやさんの「シーサー」シリーズの「たのシーサー」が、初展示で10位に入りました。
初めは沖縄の民話から「キジムナー」などと一緒に描かれた「シーサー」でしたが、今年になって立体を経験し、改めて「シーサー」の魅力に取り憑かれたようです。
これから、たくさんの「シーサー」が出てくることでしょう。
ベスト10外では、11位「顔のある風景/オーイ!」木村さん、12位「恥ずかしがり屋のポスト」佐藤さん、13位「トラック」須藤さん、14位「morning」開楽さん、15位「素晴らしき三次元(せかい)」荒木さん、16位「恥ずかしがり屋のポスト/京都」佐藤さん、17位「今年もよろしく」日南田さん、18位「moden girl」いのまたさん、19位「大道芸人」開楽さん、20位「花のある風景/うず」木村さんとなりました。