美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第38回ベスト10発表

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2001年11月05日〜11月30日

ぺっこり夢 2001/11/05〜11/30投票順位 

順位 作品ナンバー 作品名 会員名 レイティング 展示回数
1
0099-0010-23  顔のある風景(駐車猫/駒込) I F       
11.4
1
2
0099-0005-14  夜間飛行 入山 さとし
9.2
23
3
0099-0002-45  顔のある風景(サンタフェ01) 佐藤 隆俊
8.7
20
4
9099-0006-07  SHADOW STEPS いのまた みゆき
8.6
7
5
0099-0002-79  恥ずかしがりやのポスト 佐藤 隆俊
7.4
3
6
9099-0006-04  マドンナ いのまた みゆき
7.2
16
7
0199-0017-04  甘いドロップ 水野 こういち
6.8
3
8
0099-0038-01  ヨコムキッズPEE 朝倉 千佐子
6.4
6
9
0099-0001-18  南海の芽吹き もと のりゆき
6.2
8
10
0199-0016-02  ひるね            なおねこ
5.8
4

●○全体の動向○●

11月24日で、Be.Tooもプレオープンから数えて2周年を迎えました。
来年2月から始まるセカンドステージの準備に追われ、特別なイベントは行わなかったにもかかわらず、新規に会員になられる方がいつもより多く、次のステージが楽しみです。

11月は全般的に見るとそれ程寒くはありませんでしたが、やはり冬を感じさせる日もありました。12月に入ると、さすがに毎日が冬らしくなります。
先月と比べると、ゲストの男女比は1:1になっているので、バーゲンよりも講習会などのイベントの方が多かったのかも知れません。

今回は、ここのところ1位を続けていたGiorgioさんの「カナリア」が、ゼネラルイメージとなり、投票対象展示から常設展示になりました。
それを受けてでしょうか、IFさんの「顔のある風景/駐車猫」が初展示で1位になりました。
これは38回の展示の中で、初回を除くと4番目となる記録で、最初は佐藤さんの「顔のある風景/渋谷」、2番目は入山さんの「Metropolitan Night」、3番目も佐藤さんの「顔のある風景/ジュネーブ」で、いずれの作品も現在はゼネラルイメージとなっています。

このうち「顔のある風景」が3点を占めているのは、このテーマが、いかに分かりやすく共感を呼びやすいかと言うことでしょう。作者の描くテーマと、それを見る人の思いが上手く噛み合ったときに、その人にとっての作品の価値が決まります。
技術的な「上手さ」も大切ですが、「分かりやすさ」こそイメージの伝達にとって一番大切なことだと思います。

今回2位の「夜間飛行」と3位の「顔のある風景(サンタフェ01)」も、次回からゼネラルイメージとして常設展示となります。これからの新規展示作品に注目して行きたいと思います。

●○個別作品の印象○●

今回1位となったIFさんの「顔のある風景(駐車猫/駒込)」は、最近では珍しく初展示で選ばれた作品です。
もともと「顔のある風景」は、佐藤さんが始めたシリーズですが、IFさんの作品も共通のテーマがあったので、Be.Tooで一つのテーマとして、展示されるようになったものです。その後、「顔のある風景」は富士写真フイルムと「ぴくちゃギャラリーBe.Too」として全国的に広がり、現在もネットでの投稿が続いています。
IFさんの「顔のある風景」は、基本的にはデジタルカメラで、Photoshopでの加工を行っているのが特徴です。
この作品は、古い施設の駐車場入口のレールと排水孔の組み合わせが、笑っている猫を思わせたので、猫の形に切り取り加工したものです。

3位となった「顔のある風景(サンタフェ01)」の佐藤さんは、写真家として多忙な中、いつもライカを首に下げて、取材先などで「顔」と出会うと、挨拶代わりに撮らせてもらっていますが、Photoshopでの加工は補正程度で、ほとんど行っていません。
自分の出会いを、ギャラリーのゲストとともに楽しむ。佐藤さんの「顔のある風景」は、そのような遊びの中で、自然に生まれたものです。
5位になった「恥ずかしがりやのポスト」は、「顔」はありませんが、そういった出会いの中から生まれた、思わずニヤッとしてしまう佐藤さんらしい作品だと言えるでしょう。

今回11位だった木村さんの「アッ?!」も、自然に生まれた「顔のある風景」です。佐藤さんの「顔のある風景」を見て、数年前に撮ったこの作品を思い出し、展示することになりました。この作品もベスト10に何度も選ばれており、「ぴくちゃギャラリーBe.Too」でも優秀作品に選ばれています。

2位の入山さんの「夜間飛行」も、ベスト10の常連作品です。
次回からは、ゼネラルイメージとして、この作品と連作の「Metropolitan Night」についで常設展示となります。
入山さんの絵本は、多くの出版社から出ていますが、優しい絵柄から児童向けだけなので、本格的な「大人のための」絵本の完成が期待されています。

いのまたさんの4位 「SHADOW STEPS」が若い男性層に支持を受け伸びています。
6位「マドンナ」も男性層の支持が中心で、女性層が強い12位「路も狭に」と対象層の違いがはっきりと現れてきました。
いよいよ懸案だったパソコンを導入し、新しい試みを始めているので、来年の作品が楽しみです。

7位「甘いドロップ」の水野さんは、ベスト10初登場です。
LightWave3Dを使ったこの作品は、CG特有の質感に挑戦し、透明なドロップの甘さを出すことにこだわったものですが、ゲストの素直な支持を受けることができました。
現在は、レンテュキュラーレンズによる3Dプリントの勉強会で、より表現の幅を広げることに取り組んでいます。
これから期待される作家の一人です。

8位の「ヨコムキッズ PEE」朝倉さんの作品は、絵だけではなく、ぬいぐるみと一体となったものなので、日南田さんの「ちょろぴ」のように立体を写真に撮ったような作品なども考えられると思います。次の展開が注目されます。

9位、もとさんの「南海の芽吹き」は、最初のゼネラルイメージとなった「常春高原」と同じく、見ていて心が安らぐ作品として、幅広い支持を集めています。
失われて行く「風呂屋のペンキ画」のように、ゆったりととした気分で眺められる環境絵画のジャンルでは、高い評価を受けており海外にも仕事が広がっているので、なかなか次の新作が出てきませんが、来年には次の作品が登場する予定となっています。

10位の「ひるね」は、これもベスト10初登場の、なおねこさんの猫シリーズの作品です。
まだ2点だけで、この猫の名前も背景も分かりませんが、キャラクター性が強い作品なので、展開によっては広がりが期待できるでしょう。

Be.Tooでは、犬を描いた作品より猫の作品が多く、前回3位の竹内さんの「雪」も、今回のIFさんの「駐車猫」もそうでしたが、犬の作品でベスト10に残ったものは、Kannaさんの「イヌ」以外はありません。今回入会された会員の中にも、猫を描いた作品があるので、デジタルギャラリーが始まったら、ジャンル別の特集も検討してみたいと思います。

ベスト10外では、11位「アッ?!」木村さん、12位「路も狭に」いのまたさん、13位「雪」竹内さん、14位「いすの年齢(追分)」佐藤さん、15位「下宿6」風の宮さん、16位「Lighthouse」入山さん、17位「お月さまのダンスライブ」日南田さん、18位「素敵な階段」木村さん、19位「シーサー」渡辺さん、20位「飛行機雲の行方」佐藤さんとなりました。

以上でした。


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