10月は暖かい日もありましたが、日毎に冬へ近づいているのが分かりました。
テロの影響から不況の影も大きくなって、冬の寒さも厳しく感じられるようです。
Be.Tooの周囲は、再開発が始まり、周囲の古い建物がどんどん壊され、空き地が広がっています。ビルの工事も幾つか先行して進んでいて、古いお店や家が取り残されたように残っているのが、目にとまるようになりました。
Be.Tooはオフィス街の入口にあるので、講習会やバーゲンなどのイベントがあると、ゲストの層も少し変化します。月の始めは、企業の講習会があり、年齢層の高い男性層が目立ちましたが、後半は若い女性層が伸び、今回のゲストの男女比も1:2となって、ほぼ標準的な傾向を示しています。
前回は新規展示作品が4点と目立ちましたが、今回は票が分散し、結果的に展示回数の多い安定した作品が入りました。
来年からは新しいシステムになるので、又少し違った傾向が見られることになると思いますが、今回の投票では恵比寿のBe.Tooの傾向が、良く分かるベスト10となっています。
1位のGiorgioさんの「カナリア」は、連続記録を6回に伸ばし、ベスト10入りも13回となりました。
次回からは、ゼネラルイメージとして投票対象作品を卒業し、常設展示となる予定です。
新規展示の「Vivian Rose」は、Giorgioさんの独特な「人と花の世界」をカリグラフィーとペンを主体として表現されたもので、今までとは違った趣の作品です。
まだ、ベスト10圏内には入っていませんが、今後の動向が注目されます。
齋藤ユノさんの「家族への愛」が、久しぶりにベスト10に入り2位となりました。前回の「子供への愛」と「隣人への愛」を含めたこのシリーズは、シリーズとしては7回のベスト10入りを果たしており、女性を中心とした幅広い年齢層からの支持の強さを示しています。
3位となった竹内さんの「雪」は、夏のシーズンを乗り越え、冬に向かって安定した支持を得ているようです。猫の3部作のひとつであるこの作品は、猫に対する愛情が豊かに描かれ、ストーリー性を強く感じさせてくれます。
猫が好きな方には、無視できない魅力ある作品と言えるでしょう。
今回初めてベスト10入りした4位の朝倉さんの「ヨコムキッズPEE」は、立体から平面に描きおこされた作品で、現在は、ぬいぐるみとして市販されています。
女性層だけではなく、男性層の支持も広く集めており、ぬいぐるみの販売状況とも呼応した結果となっている点でも注目される作品です。
いのまたさんの「マドンナ」「SHADOW STEPS」が、5位と6位になりました。
若い女性層を中心に、男性層の支持も広げている、いのまたさんの作品はあまり季節的な変動は無かったのですが、夏らしい作品の「路も狭に」は、冬に向かって、少し支持が落ちているようです。
7位の東田さんの「そら豆」も、今回で5回目のベスト10入りとなり、すっかりお馴染みになりました。今回は入りませんでしたが「もも」は14回のベスト10入りを果たしており、こちらはそろそろゼネラルイメージに選定されそうです。
独特の世界観とパワーがあるので、後に続く作品も底堅い支持を集めており、これから益々注目されることが多くなるでしょう。
今回8位になった佐藤さんの「顔のある風景(サンタフェ01)」も、ベスト10に13回入選しており、ぴくちゃギャラリーBe.Tooで優秀作品にもなった作品です。
この作品もゼネラルイメージの対象作品ですので、もうすぐ常設展示に移ることになります。
佐藤さんの始めた「顔のある風景」は、デジタル・ライブ・ギャラリー「Be.Too」で、他の会員やネット会員の作品を含め、特別展示が企画されていますので、来年早々には、数百点の中から選ばれた作品の大きな広がりを楽しんでいただくことができるでしょう。
9位の木村さんの「オーイ!」も「顔のある風景」として4回のベスト10入りを果たしていますが、この顔は撮影された後、駅の改修工事のため取り壊されて無くなってしまいました。
木村さんは、夏に作られた写真集「KIMURA's CAMERA」の中で「出会いの印象を心の中に焼き付け、その時の感覚を思い出す」ことを語っていますが、この作品は「アッ?!」とともに、木村さんの「偶然の出会い」への思い入れが、素直に表現されている作品のひとつです。
前々回2位に入っていた、須藤さんの「トラック」が今回は10位に入りました。
若い女性層の強い共感に加え、今回は若い男性層の支持が目立ちます。
ムンクの「叫び」にも通じる須藤さんの作品は、より一層深まる時代の不安を媒体として、社会に浸透していくのでしょうか。
これからも益々、今後の動きが注目される作品です。
ベスト10外では、11位「階段」木村さん、12位「もも」東田さん、13位「ポポおじさん」Kannaさん、14位「Stabd-by」IFさん、15位「さとこの道」木村さん、16位「カメナップル」東田さん、17位「南海の芽吹き」もとさん、
18位「子供への愛」齋藤さん、19位「いすの年齢(追分)」佐藤さん、20位「素敵な階段」木村さんとなりました。
以上でした。