●○全体の動向○●
今回の男女比率は、女性3:男性2でほぼ通常の比率になってきました。学園祭などで忙しかった学生の来店も少しずつ戻ってきたようです。
「ぴくちゃギャラリーBe.Too」のサイトが、オープンした影響もあって、ベスト10の中で「顔のある風景」作品が、5点を占めるようになりました。
「ぴくちゃギャラリーBe.Too」のサイトへの投稿作品も出てきたので、しばらくはこの傾向が続くことでしょう。
入山さんの「Metropolitan Night」は、今回からGeneral Imageとなりましたが、Be.Tooの公式サイトでの紹介ページが遅れているので、今回はベスト10での展示となりました。
24回からの展示では、展示回数の見直しを行い、新しい作品の入るスペースを広げて行きます。
●○個別作品の印象○●
Be.Tooの公式サイトでも、作品の閲覧が始まりましたので、個別作品の印象は、新しい動きや、気がついた点だけまとめることにいたしました。また、ベスト10以外の作品と会員にも触れて行きたいと思います。
今回2位の日南田さんの(ちょろぴシリーズ「昼」)は、前回も触れたように強力なサポーターの存在が、夏のイメージにもかかわらず、支えてくれています。
ただ、「立体のちょろぴ」と「平面のちょろぴ」が、なかなかひとつのキャラクターとしてまとまらないのが、大きな課題となっており、現在展示されている「平面のちょろぴ」作品2点の動きが気になるところです。
酒井さんの「冒険」が票を伸ばし、ベスト7に入ってきました。
20回での展示作品「輪切り」では、初展示でベスト2となりましたが、その後の得票の伸びなかったこともあり、次回の動向が注目されます。
「顔のある風景」作品は今回の展示から新人の木村さんの作品も入ってきました。次回の動向が期待されます。
全体の動きに関しては、「ぴくちゃギャラリーBe.Too」でも、月ごとにまとめて行きますので、ご覧ください。
新規作品では、「眠るなBabe」の、いのまたみゆきさんの久々の新作「マドンナ」に注目しています。
いのまたさんの作品は、女性層に支持される色気が特色でしたが、「マドンナ」は逆に男性層の支持を集めているのが目立ちました。相変わらず、描く前に悩みすぎるようですが、それを乗り越える力もつけてきたようです。
異色の作品として、Giorgio de Camaさんの「カナリア」が目を引きます。
宇野亜喜良氏が、注目した緑色の唇は、紅色の補色であるのに不思議と馴染んでいて、違和感を感じません。言葉では表現できない想いを画面に現す一方で、日本では珍しい、本格的なカリグラフィを学んでいるGiorgioさんは、日本の少女文化と欧米を結びつける新世代の作家になる可能性を秘めています。
Naoki Hashibaさんは、26点の一連の作品を登録され、少しずつ展示をして紹介してきましたが、コンテンポラリーなイメージで、女性の日常を散文的に表現された作品が中心となっていました。
各作品は得票に大きなばらつきがなく、ファッション雑誌のように、目に抵抗無く留まり、後味を残さず消えて行く、そのようなメディアの目的に合ったイラストなので、ベスト10に入ることがありませんでしたが、無くてはならない作品だと思います。キャラクター性は強い絵なので、もう少しストーリーとして組み立てて行けば、独自の世界が展開できるでしょう。
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