夢之介日記11

前回は、らっきょうの皮むきからはじめ、基本である白らっきょうの作り方を紹介しました。
でも、これだとちょっと面倒だと言う方には、皮をむいてあるものもあるので、それを使って本格的だけどより簡単な作り方と、本当に簡単な作り方を紹介いたします。
皮むきらっきょうは、塩漬けしていないものと、塩漬けしてあるものがあります。
また国内産と中国産で値段も様々です。
できるだけ新鮮なものを選びましょう。

らっきょう漬 弐

ぺっこり夢
千柳軒看板

■皮むきらっきょうの選び方■

塩漬けしていないものと言うのは、前回の皮むきの作業だけ省いたものと考えれば分かりやすいでしょう。
したがって、自分で塩漬け(発酵)を行い、塩抜きしてから甘酢に漬けることになります。
加工していないので傷みやすいため、大きなスーパーや八百屋で、大きくて切り口がきれいなものを選ぶこと。時間が経っているものは、中の芯が伸びたり飛び出してきて切り口が平面では無くなっています。
価格は皮付きより高いのが普通です。加工してすぐ販売するので国産品がほとんどではないでしょうか。

塩漬けしたものや、更に塩抜きまでしたものもあります。これは、すぐに甘酢に漬けることもできるので、時間が無い方には重宝すると思います。
中国産の場合は概して小粒のものが多く、価格も1キロ350円くらいのものからあるようです。国産品は1キロ650円〜1200円程度で産地や大きさによって様々でした。

■黒らっきょう/応用編■

らっきょう1kgの材料
前回は白らっきょうだったので、今回は黒らっきょうにしてみました。
加工していないらっきょうを塩漬けにして、黒甘酢に漬け込みますが、塩漬けの方法をソミュール法(塩水につける)で行っています。
塩漬けよりも早く漬かるので、時間が少し早くできます。
塩抜きも一昼夜まではかかりません。
本格的なものを作りたいけど、簡単に済ませたい場合にはこれがお勧めです。
水回し
●●● 1)塩らっきょうを漬ける ●●●
◎らっきょう・・・・・・・・・・1Kg
◎塩(天塩)・・・・・・・・・150g
◎水・・・・・・・・・・・・・700CC

●●● 2) 甘酢を作り、漬け込む ●●●
◎酢(酸度35度以上)・・・・400cc
◎きび砂糖・・・・・・・・・・200g
◎塩(天塩)・・・・・・・・・ 25g

■1)らっきょうの皮むき〜塩漬け■

練り 練りまとめ
皮むきらっきょうです。鳥取産で塩漬けはしてありません。
粒が大きく、皮付きのものを自分で剥いたものとほぼ同じ大きさです。
流水で軽く洗います。
このとき、細かくちぎれた皮やゴミをチェックしてきれいにします。
塩で漬けてないので、芯が伸びているものもあります。
膨らんだ切り口を切り落としたり、剥がれかけた皮を剥いておきます。
麺切り出し
麺棒伸し
再度水で洗い、良く水気を切っておきます。
この段階で塩をまぶしても良いのですが今回は塩水に漬け込みます

らっきょうのビンに、塩を入れ沸騰させて冷ました塩水とらっきょうを入れて、しっかりフタをします。
毎日ビンを振って上下を入れ替えます。
発酵してかなり匂いがきつくなるので、フタのできるビンが最適です

1週間ぐらいで塩が染みこむと、らっきょうも硬くなってきます。

■2)らっきょうの塩抜き■
肉さやうどん
1週間程度でも、塩が染みこんでいれば甘酢に漬けることができます。
塩抜きは軽く、半日もあれば大丈夫でしょう。
囓ってみて、少し塩味が残るくらいが目安です。
塩抜きが終わったら、沸騰したお湯に30秒ほど浸けて殺菌しておきます。
長く浸けすぎると、歯触りが柔らかくなってしまいます。
サッと湯切りして、できるだけ水気を飛ばします。
ここは手早く処理して、冷ましておきましょう。

■3)黒甘酢作りと甘酢漬け■
黒甘酢には白砂糖の変わりに「きび砂糖」を使います。
黒砂糖と白砂糖の中間と言ったら良いのでしょうか、自然の持つ成分、風味がより多く残っている優しい味の砂糖です。
きび砂糖」の分量は白砂糖と同じです。値段は白砂糖の3倍ぐらいしますが、これを手で精製すると「和三盆」になり、またその3倍ぐらいの高級砂糖になります。 きび砂糖と天塩、米酢をホーローの鍋で溶かします。
換気を良くして、万一噴きこぼれたりしたら、すぐに拭き取っておくことを忘れないでください。
煮立たせた後、必ず常温まで冷まします。
暖かい状態で浸けると、雑菌が繁殖する可能性があるからです。
これも、お好みで唐辛子を3〜4本入れておくと味が締まります。
消毒したガラスビンに、らっきょうを入れて黒甘酢を加えます。
材料は1Kgで表示しましたが、今回の皮むきらっきょうは2Kg用意しました。
これも中ブタを閉め、外ブタをしっかり閉め、甘酢がこぼれた所があれば、黴などの原因になるので、しっかり拭き取っておきましょう。

らっきょうがまだ街で売られているうちに、何とかその弐をアップすることができました。
この際だから、らっきょうは「簡単編」も近々アップしてしまうかも。
今年はきっと台風や嵐が吹き荒れるやも知れません....。
2004年7月3日 夢之介