夢之介日記09

本格仕込みの麹味噌だけでなく、簡単に作れる白味噌の作り方をと希望が多かったのですが、なかなかアップしないでいたら、先日とうとうイエローカードが出てしまいました。
何でもこだわるように思われているけど、けっこう手抜き料理やインスタントも使います。
麹を買うお店では、邪道だと言われましたが、市販のお味噌には出せない美味しさが、手軽に味わえるので、ぜひ試してみてください。

手前味噌(其の弐)

ぺっこり夢
千柳軒看板

■いつでもできる簡単白味噌造り■

日本で作られている味噌は、米麹味噌、麦麹味噌、豆麹味噌の3種類に大別されます。
豆麹の豆味噌は「八丁味噌」「三河味噌」に代表され名古屋を中心に三河地方だけに見られるもので、「味噌煮込みうどん」「味噌カツ」には欠かせない味噌です。
麦麹の麦味噌は九州に見られる味噌で、大豆と麦麹の比率が10:10〜20と、やや甘めの味噌です。
その他の地域は、米麹の米味噌ですが、大豆と米麹の比率と塩分の量、それと寝かせる期間によって、地域ごとに特色のある味噌になっています。
千柳軒の味噌は、大豆と米麹の比率が10:10前後としているので、信州味噌に分類されるようです。
本格仕込みの味噌は2月の寒仕込みで、塩は多め、10月まで8ヶ月ほど熟成させるので「赤味噌」になります。
簡単白味噌は、米麹が多めで塩は少なめ、熟成期間が1〜3ヶ月なので「白味噌」の範囲に納まります。
「白味噌」と「赤味噌」も明確な境はないので、好きな味になるまで常温で寝かせて、それ以上熟成させたくなかったら冷蔵庫に入れると良いでしょう。
「白味噌」は5日ほど寝かせれば、味噌として使い始めることができるので、仕込みさえ簡単にすめば、いつでも作ることができる味噌です。
熟成させる季節が暖かい〜暑い時期は塩を多めに、涼しい〜寒い時期は塩を少な目にするのがポイントでしょうか。
後は、自分の好みの味になる熟成期間を試してみるだけ。これであなたも手前味噌の仲間入りです。

水回し
味噌約1.2kgの材料
大豆と米麹の比率が680g:400gなら、17:10なので、10:10にはならないと思うかも知れません。
この比率は乾燥大豆が基になっているので、煮大豆の場合水分が加わるため、その分を含めています。
※実際は、種水(煮汁)も足すことになるので乾燥重量に対し1.8倍ぐらいの計算になります。
●●●● 煮大豆と麹と塩 ●●●●
◎煮大豆・・・・・・・170g×4袋
◎米麹(乾燥)・・・・200g×2袋
◎塩(天塩)・・・・・80〜100g
○豆乳(使わなくても可)・・適量

練り
練りまとめ
竹の皮は、熱湯で消毒しておくとカビが防げます。
◎ミキサー、◎計量秤、◎漬け物器、
◎ボール、◎竹の皮を用意します。
使う前にアルコールで消毒しておく
ことをお勧めします。
煮豆を袋から出し、水を加えて煮ます。
この時豆乳を加えて種水にも使えるようにしています。
麺棒伸し 麺切り出し
5〜10分ほど煮た大豆を、火から降ろして熱いうちにミキサーにかけます。
良くほぐした麹と塩を合わせます。
塩切り麹と言うそうです。
麹は袋の中で砕いておきます。
出してから砕くと、麹菌が舞い上がりちょっと面倒になります。
種水:大豆を煮た時の煮汁です。煮大豆には、ほとんど入っていないので水を加えて煮るのですが、当然薄い煮汁になるため、豆乳を加えて見ました。時間をかけた煮汁は飴色になりますが、豆乳を加えた煮汁は、少し白濁したものになります。でも漬けておくと、表面にあがってくる醤(ひしお)は、透明な飴色になるので問題はありません。
茹で上げ
水洗い 肉豆腐うどん
種水を少しずつ加えながら、ミキサーで大豆をペースト状に砕きます。
一度にやらず、何回か小分けでやる方が簡単にできます。
ペースト状になった大豆を、塩切り麹に入れます。 手早く、熱いうちに、良く混ぜ合わせます。
この時硬いようでしたら、種水を加え味噌の硬さまで調節します。
肉さやうどん
容器に空気を抜くようにしながら、しっかりと入れて行きます。透明な容器だと密度が見えて便利です。 重石や押さえに合わせ、少し中央が盛り上がるように硬く固めます。
この時人肌程度の温度が理想です。
その上から竹の皮でピッタリと覆います。※1
カビが心配ならこの時、味噌の表面に軽く塩を振っておきます。
容器をラップで密封したり、ポリ袋に入れるなど空気を遮断して、冷暗所で熟成させます。
1ヶ月くらいで天地返し(上下を入れ替えるように混ぜること)しても良いのですが、この辺りから味噌として使えるのと、簡単がテーマなので、無理をすることはありません。(量も少ないのでムラもたいしたことないようです)

※1 竹の皮が無いときは、ラップでもけっこうです。
※2 重石を使うときは、味噌の重さの40%が目安です。この場合は1200gなので450〜500g程度の重石になります。
漬け物容器の重石が均等にかかっているか確認してフタをします。 ゆっくり重石のネジをしめて、周囲から味噌がはみ出ない程度の強さで固定します。※2

■簡単白味噌のでき上がり■
この醤は、醤油になります。米麹が多いので甘さが強いけど、市販の醤油にはない美味しさがあるので、茶こしで軽く濾して分けておきます。
これは1ヶ月半程度寝かせたものです。透明な醤(ひしお)が上がって飴色になっています。
竹の皮をとると、香りも色もしっかり味噌らしくなっています。
天地返しをしていないので、よく混ぜておきます。
シール容器に空気を抜きながら入れて、表面をラップで覆いフタをしておくと、冷蔵庫で長期間に保存ができます。
すぐに使うなら、普通の味噌と同じような扱いで冷蔵庫に入れておきます。
沸騰させると香りがとんでしまいます。湯煎で15分ほど加熱し、殺菌をしておけば、冷蔵庫に入れて保存することができます。
この醤油で、お餅を付け焼きしたら、もっと本格的に醤油を作りたくなります。すまし汁や大根おろしに、ちょっと甘めでも失敗はありません。これも手前味噌(醤油?)ですが...。
醤は、密閉できるガラスのビンなどに移して殺菌をしておきます。

千柳軒は夢之介のペースなので、なかなかアップされません。
励ましやチェックが積み重なって、反省しつつ、まぁいいかと、予定通り遅れに遅れてしまいます。
味噌作りは完全に自給段階に入り、今年は赤味噌は12キロつけました。白味噌と合わせると20キロぐらいになるのでしょうか?
何だか人にあげる量の方がふえてきているような....。梅干しも今年は南高梅を15キロ頼んでしまった。
らっきょうも3年目になるのに、まだアップしていないし。まぁ、また追求されたら考えることにしましょう。
2003年6月6日 夢之介