夢之介日記06

昔は味噌は量り売りで、いろいろな色の味噌が桶に綺麗に盛り上げてありました。
今はパックされて、匂いもしません。
和食では、味噌と醤油が決め手です。
昔の人の知恵を分けてもらい、もう一度昔の味噌の味を味わうために挑戦してみました。
手前味噌のみそ汁は、やっぱり最高の味です。

手前味噌(其の壱)

ぺっこり夢
千柳軒看板

■麹味噌の仕込み(2月)■

味噌約3.5kgの材料
●● 材料は豆と麹と塩だけです ●●
◎大豆(国産丸大豆)・・・・・1kg
◎米麹(乾燥)・・・・・・・・1kg
◎塩(天塩)・・・・・350〜380g
一般に赤味噌と呼ばれている味噌は、大豆と米麹(甘さ)の割合は10:6が基準ですが、そこは手前味噌なので切りよく1:1としました。この割合だと信州味噌(10:6〜12)の範囲なのですが、赤味噌のように8ヶ月以上寝かせ、深みのある味にしあげます。

水回し 練り 練りまとめ
ここはやはり、昔と同じように、七輪で練炭を使いたいところです。
丸大豆をたっぷりの水(豆1kgに3〜4l)に最低一晩漬けておきます。 朝9時頃から煮始めますが、七輪は火加減が難しい。

1日目の作業

最初の日は、大豆をひたすら煮続けます。
指で軽くつぶせるぐらいに柔らかく煮て、また一晩置くと、煮汁が飴色になります。
煮汁は捨てないで、取っておかなければなりません。
乾燥した米麹を使うので、この煮汁で水分を補います。
生の米麹が手に入るなら特に煮汁を足す必要は無いようですが、昔からの知恵には、本当に無駄がないですね。
少し油断すると、吹きこぼれます。
風が強くなると火が強くなるので、空気取り入れ口を閉ざして火力を調節しますが、ガスと違ってすぐには反応しません。
そのかわり日が落ちても、火が消えることは無く、12時間の間煮続けることができました。
昔の人は、この練炭で一日中煮たり、炊いたり、焼いたり、お湯を沸かしていたのでしょう。

麺棒伸し 麺切り出し

2日目の作業

次の日は、大豆を鍋ごと暖めます。
作業は、なるべく手早くし、大豆と米麹を混ぜ合わせるときにも、暖かい状態にしましょう。
雑菌が入らないように、使用する道具は、きれいに洗っておきますが、うちではアルコールをスプレーし、黴などが発生しないようにしています。
容器には厚手のビニールを入れ、空気を遮断するようにしましょう。
バラバラにした米麹と、塩を合わせ、良く混ぜておきます。
乾燥米麹をつぶしておきます。
麹は袋に入ったまま砕くと、楽なようです。
茹で上げ 水洗い 肉豆腐うどん
暖めた鍋から、ザルで大豆を擂り鉢に取り分けます。 熱いうちに擂り粉木でつぶし、粘りがでるまで擂り潰します。 全体が塊になるまで擂ったら、米麹と塩と合わせます。
肉さやうどん
全体を握りつぶすように、均等になるように混ぜ合わせ、煮汁を足しながら、柔らかく滑らかになるようにします。 次は空気を抜きながら、ソフトボール程度のボールにします。
容器にビニール袋を入れ、その中にボールを投げ込むようにして、押し入れます。要は空気が入らないように、しっかり入れるのです。
ビニール袋を軽く持ち上げ、落としたりして、残った空気を抜きながら表面を平らに均します。
ビニールの空気を抜きながら口をしっかり締め、落としぶたをのせ、重石を置きます。
重石は造る味噌と、同じ重さが良いと言うことです。
その外側に更にビニール袋をかけ、フタをして、またビニール袋に入れました。
昔は瓶や桶で作っていたので、味噌は黴びるものでした。消毒と密閉を完全にすると、黴びることもなく出来上がります。
4月、6月、8月に天地返しをして、重石を軽くして行きます。
その時、溜まりをとりだして濾すと、溜まり醤油として使うことができます。
これでお餅を付け焼きすると最高でした。
10月には美味しい味噌となり、時間がたつに連れ、赤から黒に変わって行き味が変わってきます。
好みの味になったら、小分けにして冷蔵庫に保管するのが良いでしょう。
保管は涼しくて、温度変化が少ない所に水平に置くのが原則です。

ホームページに載せるのにモタモタしているうちに、味噌造りも今年で3回目になりました。今年は7kg仕込み、白味噌も作るので、味噌は自給できるようになりそうです。簡単にできる白味噌の作り方も、近いうちにアップしたいと思います。