美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第61回ベスト10発表

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2003年05月26日〜06月15日

ぺっこり夢 2003/05/26/〜2003/06/15投票順位 

順位
作品ナンバー
作品名
会員名
レイティング
展示数
選出数
1
0099-0009-39
 今年もよろしく
 日南田 淳子
22.1
22
11
2
0299-0026-08
 言葉にできない  夜舟
12.8
8
4
3
0299-0038-02
 泉(右)  ホソイヒサト
8.4
1
1
4
0099-0027-03
 BUBBLE BALLOONS  TAKA
7.7
5
5
5
0099-0017-54
 花のある風景 うず  木村 伸子
7.4
13
10
6
0299-0026-01
 さよなら  夜舟
7.1
18
1
7
0299-0036-04
 幻想メリーゴーランド  北野 玲
7.0
3
3
8
0199-0023-08
 やわらかな時間  宇多川 友恵
6.5
3
3
9
0299-0030-01
 D公園にて  開楽 智治
6.3
17
3
10
0299-0026-11
 沈める睡り  夜舟
5.9
6
1

●○全体の動向○●


6月は梅雨。梅の季節です。
今年は南高梅を15キロ買ってきて、梅干しを13.5キロ漬けました。
青いまま熟さない梅は1キロを梅酒にまわし、梅酒は青梅を5キロ買ってきて計6キロ分6升(10.8リットル)になります。
500グラムは不良品で外しました。今年は梅が不作だったようで、品質も今ひとつと言ったところでした。

梅干しの話は、美術茶論ではなく千柳軒の方が主なのですが、常々、味噌や梅干しと言った伝統的な食べ物の作り方と作品の育て方には、共通点があるなと感じていました。
夢之介が興味のある日本の伝統的な食文化の特色のひとつに、「手間」と「時」があります。
「手間」は瞬間的なパワーで乗り切れるのですが、「時」はそうはいきません。
「手間」でどんなに技巧を凝らしたとしても、「時」が足りなければ未熟で終わってしまう。
「手間」と「時」、どちらのバランスが欠けても、成熟したときの「味」が落ちてしまいます。

ギャラリーの作品も、作家の「手間」はとても大切な要素ですが、「作品」として成熟するにはゲストの支援してくれる「時」が必要です。
ゼネラルイメージは、そう言う意味では、熟した作品と言えるかも知れません。
ただ、自然の与えてくれる「時」の恵みは不変的なもの。年毎の差はあるものの、かけた時間はそれだけの効果があります。
それに比べると、ゲストの支援は可変的なもの。今日はたくさんの票が集まっても、明日のことは分かりません。

「成熟した作品」。もし長い時間、変わらずに評価される作品があるとすれば、そう呼んでも良いと思います。
ゼネラルイメージに選ばれた作品が「成熟した作品」であるかどうかは、選んだゲストの方々次第。
投票と言うイベントが終わっても、想いを続けてくれるかどうか。
「時」は、全てのことを明らかにしてくれ、ごまかしが利きません。
サポーターになっていただいたゲストの方々に、どこまで応援していただけるかが、選ばれた作品がその先へ行けるかどうかを決めることになります。
作品や作家が成熟するまで、いつまでも見ていただけると嬉しいですね

今回の投票での男女比は2:5、前回より女性層がもどり普段に近い比率になっていました。
日南田さんの「今年もよろしく」が、サポーターの方々の強力な支援で、前回のGiorgioさんに続きゼネラルイメージに入ました。
木村さんの「花のある風景 うず」が、今回で10回目のベスト10入りです。
Be.Tooの移転でサポーターのゲストが分散してしまいましたが、新しくサポーターの方々が広がり、地道に支えてくれるようになりました。こちらも、次回あたりゼネラルイメージになりそうです。
作家や作品によって、さまざまなタイプのサポーターがいらっしゃいます。それもまた作品の個性と結びついているような気がします。



●○個別作品の印象○●

日南田さんの「今年もよろしく」が、得票数の新記録で1位となりゼネラルイメージとなりました。
商品化の効果と日頃からのネットでの活動の相乗効果もあり、極めて得意な例です。
応援くださったサポーターの方々に感謝いたしたいと思います。
ただ、問題はこれが続くかどうかということ。今までも瞬間的に得票を集めた例は、たくさんありましたが、持続した例はほとんどありませんでした。
これからが、日南田さんにとって本当の正念場になることと思います。
この作品は、ちょろぴシリーズのクオリティをあげる基本となった作品で、その後の1年で日南田さんの作品の質は大きな進歩を遂げました。
サポーターの力と、それを活かしての制作活動を、これからもこの調子で続けていただきたいと思います。

夜舟さんも今回はサポーターの力が結集し、大きな飛躍を成し遂げられたようです。
「言葉にできない」が3位に、「さよなら」が6位に、「沈める睡り」が10位と、3点がベスト10に入りました。
夜舟さんのサポーターの特色は、10代を中心とする20代までの若い女性であることです。
毎回少しずつ増えて、それぞれの方々が継続されて支持してくださっているので、今回はそれが表に出てきたと言う感じがしました。
これからも一層の応援をよろしくお願いいたします。

ホソイさんの「泉(右)」が初登場で、3位に入りました。
この作品は「泉(左)」と対になっている作品なのですが、作品展示はスクリプトで自動生成されるため、展示は左右逆に並び、一対の作品とは見えなかったかも知れません。
一対の作品として理解されても、投票は作品一点なので、どちらかを選ばなくてはならず、選ばれた作品が「右」であったと言うことだと思います。
ホソイさんは、もとさんと同じく壁画をやられており、海外でも高く評価されている作家です。
「青空鉄球」も15位につけており、これからも意欲的な作品が紹介されると思いますので、楽しみにしていただきたいと思います。

TAKAさんの「アクア−ルド・シリーズ BUBBLE BALLOONS」は今回は4位となり、連続して5回のベスト10入りとなりました。
この作品はアメリカ的な雰囲気が強いためか、比較的若い男性層が中心に支持が定着しているようです。
TAKAさんも力のある作家ですので「アクア−ルド・シリーズ」が揃うと、たいへん見応えのある作品集になることでしょう。
今は仕事が忙しいのと、ちょっと腰が悪くなりかけているので自重されていますが、一段落されたらシリーズが次々にアップされることと思います。
そう言えば、前回の美術茶論で私が「いつか特集を組む」などと言ったような....。

木村さんの「花のある風景 うず」が5位となり、ゼネラルイメージの資格に達しました。
この作品は「花」の作品ですが、男性層が中心で、年齢層の高い方も少なくありません。
これから咲こうとしている花に、大きな可能性や希望を見いだしている方も多いようです。
ゼネラルイメージとなった「廊下・横」以来の、作家としての木村さんのサポーターを自認している方も少なくないようなので、木村さんのこれからの作品も大いに期待されているようです。

北野さんの「幻想メリーゴーランド」が6位となり、初展示から3回連続してベスト10に選ばれました。
「幻想メリーゴーランド」はIllustratorを主に使って描かれていますが、同じくIllustratorを使っているTAKAさんとは、全くイメージが異なります。
コンピュータのソフトは、初心者はどうしてもソフトに振り回されて、同じような感じになりがちなのですが、やはりしっかりとしたイメージを確立された作家ですと、ソフトも画材に過ぎないことが分かります。
色鉛筆の作品では「ものおもい」が12位になりました。

宇多川さんの「やわらかな時間」は、今回は8位となりました。
順調に伸びてきたサポーターの方々も、ちょっとひと休みといったところでしょうか。
今回は主な支持層の女性層が伸びず、男性層が目立っています。
ネコのキンタにも頑張って欲しいところですね。

9位は、開楽さんの「D公園にて」になりました。
この作品がベスト10にまだ3回目と言うのは、ちょっと意外な感じがします。
前々回ゼネラルイメージとなった「ガマン大会」の影に隠れて、目立たなかったのかも知れません。
開楽さんの寓意的な世界は、見る都度に考えさせられるものがあります。
絵は若い女性にも分かりやすいのですが、描かれた不条理な世界は、どうしても対象層を選んでしまうのでしょう。
展示されている作品が多い方が、このタイプの作品は強いようです。

ベスト10外では、11位「エゾリスb06」松岡さん、12位「ものおもい」北野さん、13位「春だね〜」日南田さん、14位「顔のある風景 ニコリンネ」佐藤さん、15位「青空鉄球」ホソイさん、16位「キャベツ畑」赤崎さん、17位「お兄ちゃんの入学式」佐藤さん、18位「フラワー」高野さん、19位「なあに」なおねこさん、20位「温泉猫-すいか-」奥岡さんとなりました。

以上でした。


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