美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第67回ベスト10発表

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2003年10月06日〜11月02日

ぺっこり夢 2003/10/06/〜2003/11/02投票順位 

順位
作品ナンバー
作品名
会員名
レイティング
展示数
選出数
1
0299-0026-08
 言葉にできない
 夜舟
13.9
14
10
2
0099-0027-03
 BUBBLE BALLOONS  TAKA
11.9
11
11
3
0099-0009-68
 はじめまして  日南田 淳子
10.4
3
1
4
0299-0030-01
 D公園にて  開楽 智治
9.5
23
9
5
0299-0036-04
 幻想メリーゴーランド  北野 玲
8.6
9
9
6
0199-0023-09
 東の遙  宇多川 友恵
8.4
2
2
7
0099-0037-29
 フラワー  高野 洋実
7.2
18
3
8
0199-0034-03
 うかれはしゃいで  JAM
7.1
11
7
9
0299-0036-08
 ものおもい  北野 玲
6.9
8
5
10
0099-0002-120
 顔のある風景 ニコリンネ  佐藤 隆俊
6.8
14
7

●○全体の動向○●


11月になってから例年より暖かい日が続いていますが、上海も広州も暖かかったせいか、ちょっと人よりも肌寒く感じています。
10月の前半に行った上海や楊州は24〜28度ぐらい、昼間は半袖が必要でした。
後半に行った広州と東莞も25〜28度ぐらいで、街は夏の服装でちょっと郊外の工業区へ行くと裸足の女の子もいました

写真で見ると分かるように、お店の手伝いの子らしく、貧しいと言うわけではなさそうです。
東莞は香港〜広州の経済特区のライン上にあり、経済発展が著しく出稼ぎが多いので治安が悪いため、万引きの見張りをしているらしい。
レジの後ろにキティの手作りPOPとカードが見えます。もちろん著作権と言う概念は無いのでしょう。
そのお店は昔の日本で良くあったマーケットにつながっていて、駄菓子屋さんの前に小さい子供が親と遊びに来ていました。
別の工業区では、台湾式の「コスプレ写真館」がありました。出稼ぎの若者が、グラビアアイドルのような写真を撮って、故郷に送るのでしょう。

↑屋根のあるマーケットの駄菓子屋?さんと子供

←店番?の13〜4才ぐらいの女の子、二人いてともに裸足でした

小さな「コスプレ」写真館、前は工場街です→

上海では、有名な繁華街の南京路では、トラムカー(連結した自動車)が観光客を乗せて走っていました。街全体がテーマパークを目指しているようです。
ある意味で、もはや日本を越えています。
消費行動は急速に発展し、そのお手本は明らかに日本です。
日本の文化はあこがれであり、ビジネスチャンスが広がっていることは確かだと思いますが、制度的な壁が大きくコネクションがないと難しいと言うのが現状のようです。
窓口さえ開ければ、日本のクリエイターのチャンスも確実にあるでしょう。

←南京西路は、自動車は入れませんが電動のトラムカーが何台も往復しています。

今回は展示期間が長かったのですが、特にそれが大きな影響を与えることはなかったようです。
男女比は1:2で、前回より平均的でした
。ただ10代の若い年齢層に関して言えば、女子はいても男子はほとんどみられません。
中心となるのは20代〜30代の女性で、逆に言えばその層が安心して訪れることのできるところがネットには少ないと言うことなのかも知れませんね。
ギャラリーの性格から、この傾向はオープン以来変わらずに続いていますので、評価として確立されてきたと考えて良いのでしょう。

投票の傾向もある程度固まってきました。
今回は予想通り、TAKAさんの「アクアールド・シリーズ BUBBLE BALLOONS」がゼネラルイメージに選出され、常設展示コーナーへ移りました
。恐らく夜舟さんの「言葉にできない」も、開楽さんの「D公園にて」、北野さんの「幻想メリーゴーランド」も続くと思われますが、残念なことに木村さんの「花のある風景 うず」が展示から下げられることになりました。この作品は、もう少しでゼネラルイメージになるところまで行っていたのですが、作家自身が忙しく自分の作品に関心をはらうのを忘れていたこともあり、投票してくれる人がいなくなってしまったのです。作品の評価は絶対的なものではなく、タイミングや波と言うものがあります。サポーターと作者の気持ちが合ったとき、作品は評価され輝きを増すのではないでしょうか。
作者の気持ち、それがなければ、作品は世の中に出ることはありません。
チャンスは、いつまでも続かない、タイミングが重要です。
上手くのっていただきたいと思います。


●○個別作品の印象○●

夜舟さんの「言葉にできない」は、今回も安定して1位になり、ゼネラルイメージの候補になりました。
今の勢いなら、次回は確実に常設展示へ移行することになりそうです。
今回は新作が2点加わりました。ちょっと季節外れで心配でしたが「そして夏がはじまる」が17位となり、若い方だけでなく年齢層にの高い女性層の評価も受けています。「水色の雨」はベスト20には入りませんでしたが、これから寒さが厳しくなる中で良く健闘していると言えるでしょう。
その他の作品も、今回は久しぶりにベスト20からもれてしまいましたが、サポーターの方々が安定しているようなので、大きく外れることはなさそうです。

TAKAさんの「アクアールド・シリーズ BUBBLE BALLOONS」が、2位でゼネラルイメージに選ばれました。
いよいよアクアールドの世界が、これから次々に発表されるようです。
相変わらず忙しいTAKAさんですが、海の中のクリスマスや様々なシーンが楽しみですね。

日南田さんの「はじめまして」が、ベスト10入りし3位になりました。
サポーターの方々は、大勢いらっしゃるのですが、日南田さんの性格を反映しているかのように波が大きいようで、今回は11〜20位までに5点が入りました

大きな流れを見ていると、このような波も平均化され、結果的には地道な応援と同じようなデータになりますが、波の間に下げられてしまう作品もあるので、作品を育てると言う視点から見るとなかなか難しいですね。

4位になった
開楽さんの「D公園にて」も、もうすぐゼネラルイメージに手が届きそうです。
絵本や商品など、可能性が大きい開楽さんの作品ですが、作家のビジョンもありますので、あまり焦らずに進むのも良いのかも知れませんが、広州の交易会では開楽さんの作品に向いた商品も多数見受けられました。
どちらかと言えば、海外の方が市場性が高い作品なのかも知れませんね。

北野さんの「幻想メリーゴーランド」は今回も5位をキープしました。この作品も、もうすぐゼネラルイメージの可能性が強くなってきました。
「メリーゴーランド」シリーズは、いろいろな作品が展示されましたが、やはり分かりやすく幻想的なイメージのものが強いようです。

また、色鉛筆画の「ものおもい」も9位となり、9才の女の子の「おかあさんににている」と言うコメントも寄せられました。
北野さんの画風の幅広さがうかがわれます。

宇多川さんの「東の遙」は、今回も6位となりました。
前回同様、女性層を中心とした支持を集めていますが、宇多川さんの作品はほとんどのものに猫が描かれているのが大きな特徴のようです

新しく展示された作品も、よく見ると猫が...、どうやらこれもキンタのようですね。
猫のキンタをトレードマークに、これからも女性ならではの雰囲気を持った作品が登場することでしょう。

高野さんの「フラワー」も、今回は連続して7位となりました。
独学で絵を勉強しながら作品を書き続けてきた高野さんですが、最近は少しずつファンの広がりが出てきたようです。
浸透するのに時間がかかりましたが、これから期待が持てそうな予感もしますね。

北海道は、これから寒くなりますが、沢山の花を咲かせていただきたいものです。

JAMさんの「うかれはしゃいで」は9位となりました。
どうやら仔猫の世話がまだまだ忙しいらしいようで、なかなか次の作品ができないようです。
絵はたいへん元気一杯なのですが、それを描いている本人の体力がちょっと心配です。
仔猫に負けず、がんばってくださいね。


佐藤さんの「顔のある風景 ニコリンネ」は今回は10位となりました。
心に残る風景 夕暮れの石神井川」は15位、「お兄ちゃんの入学式」が19位です。
10月のワークショップは盛況のようで、新しく会員になられた方もいらっしゃいました。

仕事の方では、ワールドフォトプレスから、骨董を通じてものを見抜く、本当の価値を知るというテーマで、ムック「眼力」を出されるなど、益々忙しいようです。

ベスト10外では、11位「夏のおひるね」、12位「ほーほけきょ」、13位「空があおいね」日南田さん、14位「森のなかま いっしょにあそぼ」吉川さん、15位「心に残る風景 夕暮れの石神井川」佐藤さん、16位「フィギーちゃんの夢」日南田さん、17位「そして夏がはじまる」夜舟さん、18位「柿の実食べよう」荒木さん、19位「お兄ちゃんの入学式」佐藤さん、20位「studio_CG」大工房さんとなりました。

以上でした。


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