美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第46回ベスト10発表

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2002年06月24日〜07月12日

ぺっこり夢 2002/06/24/〜07/12投票順位 

順位
作品ナンバー
作品名
会員名
レイティング
展示数
選出数
1
0099-0010-23
 顔のある風景(駐車猫/駒込)
 I F
14.3
9
8
2
0099-0017-24
 廊下・横  木村 伸子
13.4
6
5
3
0199-0006-10
 Vivian Rose  Giorgio de Cama
11.1
10
8
4
0099-0017-07
 顔のある風景 オーイ!  木村 伸子
5.8
22
6
5
0099-0001-19
 南海の芽吹き  もと のりゆき
7.6
15
6
6
0199-0025-02
 空2  山崎 雅美
7.5
5
5
7
0099-0017-33
 帰省  木村 伸子
5.3
2
2
8
9199-0001-37
 ドライヤー  東田 亜希
5.1
10
3
9
0299-0030-02
 morning   開楽 智治
4.8
2
1
10
0099-0004-15
 子供への愛  斎藤 ユノ
4.7
21
9

●○全体の動向○●

ワールドカップも終わり、祭りの後のけだるさとともに、世界の景気のかげりなど現実の問題が戻ってきました。
あれ程にぎやかだった恵比寿の街も、若者の姿が少なくなってしまい、ギャラリーの周辺のオフィスビルやマンションの工事だけがにぎやかです。
特にここのところ、お隣のマンション工事で大型車両が道を塞ぐように止まって、ギャラリーの手前から反対側の歩道に誘導しているため、お客様が気軽に入れない状態が続いています。
その影響で客層が少し変化しました。男女比が3:2と女性層が落ち込んでいるのがわかります。
試験と夏休みで、恒例のように学生層も少なくなる季節ですが、インターネットでの投票が広がりを見せてくれているので、投票の動向そのものに大きな影響は無いようです。

今回は上位作品に得票が集まり、固定ファンのある作品の強さが目立つ反面、新規作品への積極的な投票も見受けられます。
ただ、最初は健闘するものの、常連作品のように固定ファンがつくまで持ちこたえられる作品は、なかなか出てきません。
そんな中で今回は、開楽さんの「morning」が初展示でベスト10に選ばれました。
これからも多くの方の作品が続きます。
世の中があまり良くないときこそ、絵や写真の役割も大きくなるので、これからも新しい作品に期待したいところです。

ギャラリーの前に赤いコーンが置かれ、手前から反対側の歩道に誘導されるので、お客様がお店に入りにくい状態が続いています。
トラックの反対側にも20階建てのオフィスビルの工事入口があるので、通行人は周囲を見ることよりも通り過ぎるのに頭がいっぱいです。
目の前のビルの工事では、上から鉄の棒が車の前に落ちてきたことがありました。
ギャラリーに来るのも、命がけ?ですね。
いらっしゃるときは、お気をつけください。

●○個別作品の印象○●

IFさんの「顔のある風景(駐車猫/駒込)」が3回目の1位になりました。
ベスト10には、9回の展示で8回入っているので、後2回程でゼネラルイメージになる可能性が見えてきました。
この作品も分かりやすく、見ていて楽しくなる作品なので、選ばれることが多いのでしょう。
アベックで話し合いながら投票する場面を見ましたが、どちらかというと女性層の意見が強いようです。

3回連続して2位を続けている木村さんの「廊下・横」も6回の展示で5回のベスト10入りを果たしており、このままの調子が続くと同様にゼネラルイメージの可能性も充分みえてきました。
お寺の中の本堂へ続く廊下を撮ったこの作品は、古いものであるが故に何時までも古くなりません。
時代を反映した作品は、その時代が去れば瞬く間に時代遅れとなりますが、世代が一回り以上たつと普遍性を持つようになるからです。
木村さんの作品は4位にも「顔のある風景 オーイ!」が、7位に「帰省」が入っていますが、木村さんの作品には、そのような方向性が強いようなので、これからも息の長い作品が続くかも知れません。

今回は3位になったGiorgioさんの「Vivian Rose」も、10回の展示で連続8回のベスト10入りを続けているので、これも「カナリア」に続いてゼネラルイメージに選ばれるのも時間の問題のようです。
まだまだメジャーとは言えないこのタイプの作品も、女性層の中には確実に定着しているので、これから増えてきそうな予感もします。
Giorgioさんは、納得がいかないと作品が進まないタイプのために、なかなか新作が続きませんが、来月あたりは新作がアップされるとのことでした。

5位のもとさんの「南海の芽吹き」も、前回に続き同じ順位となりました。
まさに夏そのもののイメージの作品ですが、年間を通して票を集めているのは、もとさんの目指す環境音楽のような「ヒーリング・シリーズ」の特徴が良く現れているからでしょう。
今年からインターネットにも意欲を示しているので、近々新しい作品も展示されることと思います。
8月25日からの「Be.Too3周年記念展」では、日頃見ることができない大型の原画が展示される予定です。

山崎さんの「空2」も初展示以来、ベスト10を続け、今回の5位で5回目のランク入りとなっています。

この作品は「青のシリーズ」とでも名付けられそうな連作のひとつなのですが、連作の場合個々の作品を見るだけでなく、シリーズ全体を見ないと意図が伝わらない場合があります。
山崎さんのこのシリーズも「Be.Too3周年記念展」では、全体を展示してみるのも良いかも知れませんね。

8位は東田さんの「ドライヤー」です。東田さんの世界は、もともと広がりがあるので、全てを並べてみるとまた違った印象になることでしょう。
言葉や形態の類似から連想される自由な発想は、「東田ワールド」と言うべき世界観を持っています。
今まで多くの作品がベスト10入りしていますが、それらはディティールが比較的保たれている小さな作品でした。
線が細く大きな画面に描くことが多いため、小さなプリントやインターネットでの展示では、ディティールが見えず、なかなか伝わらないところもあるので、やはり「Be.Too3周年記念展」では大きな作品の展示が予定されています。

9位は、初展示の前回は15位だった開楽さんの「mornig」でした。
「詩とメルヘン」を始め、いろいろな場面で活躍されている開楽さんの作品は、全てパソコンで描かれているとは思えないほど暖かみが感じられます。夢の中にいるような独特の世界は、恵比寿では男女を問わず若い層を中心に支持されているようですが、インターネットでは年齢層の高い方の支持も見られています。これからの動向が注目されます。

斉藤さんの「子供への愛」がこれも前回に続き10位になりました。
この作品は他の「〜への愛」とともに発表されたシリーズ作品ですが、この作品はその中でも人気が高くベスト10も今回で9回目となります。
斉藤さん本来のリアルでファッショナブルな作品と違って、軽いタッチのこの作風は作家としての幅を広げてくれたと思いますが、全てCGで描かれた新作も「真夜中」が16位と好評のようです。
ただ、子育て真っ最中の身なので、作家としての時間がなかなかとれないとのこと。
これは同じ立場の方も多いので、斉藤さん一人の問題ではありませんが、あまり焦らず、ゆっくりと頑張ってください。


ベスト10外では、11位「雪」竹内さん、12位「ひるね」なおねこさん、13位「恥ずかしがり屋のポスト2」、14位「水門3兄弟」佐藤さん、15位「今年もよろしく」日南田さん、16位「真夜中」斎籐さん、17位「遙かなる想い 清流」宮坂さん、18位「D公園にて」、19位「two of us」開楽さん、20位「変電所のある風景」おおばさんとなりました。

以上でした。


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