美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第43回ベスト10発表

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2002年04月08日〜05月03日

ぺっこり夢 2002/04/08/〜05/03投票順位 

順位
作品ナンバー
作品名
会員名
レイティング
展示数
選出数
1
0099-0017-24
 廊下・横
 木村 伸子
9.6
3
2
2
0099-0004-15
 子供への愛  斎藤 ユノ
9.0
18
7
3
0199-0006-10
 Vivian Rose  Giorgio de Cama
8.6
7
5
4
0099-0002-79
 恥ずかしがりやのポスト  佐藤 隆俊
7.9
8
5
5
9099-0006-07
 SHADOW STEPS  いのまた みゆき
7.5
12
8
6
0199-0025-02
 空2  山崎 雅美
7.4
2
2
7
0099-0001-19
 南海の芽吹き  もと のりゆき
7.0
12
4
8
0099-0017-12
 さとこの道  木村 伸子
6.4
12
5
9
0099-0010-23
 顔のある風景(駐車猫/駒込)  I F
6.3
6
5
10
0199-0015-02
 トラック  須藤 由希子
6.0
11
3

●○全体の動向○●

ギャラリーの新しい展示方法も、一度に全作品が俯瞰できる為、時間のないゲストにも投票していただきやすくなりました。
前回に引き続き、暖かかったり寒かったり不安定な気候や、社会的な閉塞感からか、落ち着いた色調の作品に票が集まっています。
投票状況は、さすがに4月らしく学生層が増えて、男女比も1:1となり人の動きも活発になってきたようです。
ギャラリーの周辺は、隣にあった旧い家や、筋向かいの商店も取り壊され次々に新しいオフィスビルの建築が本格的に始まりました。
2年後には目の前に18階建ての高層ビルが建ち、すっかりこの辺りも面変わりすることでしょう。ただ、個人的には、恵比寿に残っていた庶民文化が、痕跡も残らず消えて行くのは残念な気もします。

Be.Tooのサイトでの投票は、少しずつ定着してきたようです。
ただ、投票される方の半数が、記載漏れや2重投稿などで無効票となっています。
投票前に、投票ページの案内に目を通していただければと思います。
よろしければ、ぜひギャラリーへ寄って投票してみてください。
※Be.Tooサイトは5月7日午後から更新される予定です。

●○個別作品の印象○●

前回ベスト10に初登場した木村さんの「廊下・横」が、今回も勢いが変わらず1位となりました。
社会の変化に対し、姿を消して行く昔からの文化に対する思いは、誰もが共通して持っているものだからでしょう。
前回1位だった「さとこの道」は8位に下がりましたが、それだけ冬も遠のいたと言うことなのでしょうか。

斎籐さんの「子供への愛」が、7度目のベスト10入りをして2位となりました。
育児休業から復帰し、最近はまた活躍が目立ち始めている斎籐さんも、従来から定評のあった緻密でシャープな表現に、母親としての暖かい視点が加わり、表現の幅が豊かに広がっています。これからが益々楽しみですね。

Giorgioさんの「Vivian Rose」は、今回は3位となっています。
カリグラフィーの先生をしているGiorgioさんは、タブレットも始めましたが、やはり手描きでないと表現ができないと、デジタルとアナログ表現の融合に試行錯誤を続けているようです。

これは多くの会員の方に共通する悩みですが、表現のスタイルは各人異なるので、無理をすることなく自分のペースで確認を続ける以外ありません。斉藤さんの場合は、最近ようやく見えてきたと言うことです。

佐藤さんの「恥ずかしがりやのポスト」が4位となりましたが、弟分の「恥ずかしがり屋のポスト2」も健闘しています。
これから新しいシリーズも加わり、元気一杯の佐藤さんの活躍は今後も目が離せません。
「ぴくちゃギャラリーBe.Too」での優秀作品発表も含め、新しい動きが形になってきたようです。

いのまたさんの「SHADOW STEPS」が1つランクを上げ、5位となりました。
いのまたさんもGiorgioさんと同様、デジタル表現への取り組みが課題となっていますが、まだMacを手に入れたばかりですので、始まったばかりです。
他の方と同様、忙しくて取り組む時間がとれないのが悩みだそうですが、近いうちに新しい作品が登場するようです。

前回、初展示でベスト7となった山崎さんの「空2」が、今回も票を伸ばして6位となりました。
透明感のある、落ち着いたブルーを基調にした山崎さんの作品は「空2」だけでなく、時代の共感を集めているようです。
これからも「空」シリーズを含め、新しい作品も次々に登場してきますので、意欲的な展開が期待できるのではないでしょうか。

もとさんの「南海の芽吹き」も、順位を上げ7位となりました。
明るい夏の訪れを期待する気持ちの表れでしょうか。
大きな作品を中心に壁画まで描かれるもとさんも、デジタルへの取り組みは早くから考えていますが、忙しくてなかなか進まないと言うことです。
もとさんの追求し続けている、見る人の心が安らぐ作品は、今の時代が一番求めているものなのかも知れません。

IFさんの「顔のある風景(駐車猫/駒込)」が、ベスト10に戻ってきました。
今回9位となったこの作品は、佐藤さんの「顔のある風景」とのコラボレーションで展開されている一連の作品のひとつです。
見立ての場合、作者と見る側のイメージの一致がポイントになりますが、ありふれた駐車場への入口に、アリスのチュシャー猫を重ねたこの作品は「猫」の分かりやすさにも助けられているようです。

38回解説で取り上げたように、Be.Tooでは圧倒的に「猫」が多いのですが、それに発憤して「犬」を描き始めた会員がでてきました。5月7日からの展示に、久しぶりに「犬」の作品が登場します。
2番目を占める「カモノハシ」も絡んできますので、近々動物をテーマにした特集を考えてみることにしましょう。

10位は、久しぶりに須藤さんの「トラック」が入りました。
須藤さんの作品は、ムンクの「叫び」に通じるものがあるようです。
特に女性の支持が多く、社会的な不安感が強い時ほど共感を呼ぶ傾向があり、山崎さんの作品とは方向は違いますが、時代性を意識させる作品のひとつです。


ベスト10外では、11位「空1」、12位「花見客」山崎さん、13位「お月さまのダンスライブ」日南田さん、14位「マドンナ」いのまたさん、15位「オーイ!」木村さん、16位「Lighthouse」入山さん、17位「今年もよろしく」日南田さん、18位「葉っぱでGO!」荒木さん、19位「Good Morning 空」こむらさん、20位「トライヤー」東田さんとなりました。

以上でした。


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