さすがに年末となって、あわただしくなってきました。
今回の投票者の構成は、前回同様女性1:男性1となっています。学生票も平均値で特に変化はありません。
前回は新作の動きが目立ちましたが、今回は入山さんの「Metropolitan Night」に加え、もとさんの「空中遊覧」がゼネラルイメージとなって、外れたにもかかわらず、新作のベスト10入りは、東田さんの1点でした。
今回も「顔のある風景」が半数を占めましたが、「ぴくちゃギャラリーBe.Too」の影響も加わり、もうしばらく「顔のある風景」が続きそうです。
ゼネラルイメージとなった、もとさんの「空中遊覧」は今回の展示から、常設展示へ移行しましたが、Be.Tooの公式サイトでは担当者が替わったためゼネラルイメージのページが完成していません。
このページの最後にある、General Imageボタンから、ゼネラルイメージ紹介コーナーをご覧いただけます。
東田さんの「X'mas」は、シーズンイメージなので、タイトルから受けるイメージと、一見した印象から、平凡なクリスマスツリーのイラストのように受け取られますが、ディティールに目を凝らしてみると、センダック(MAURICE SENDAK)の「IN THE NIGHT KITCHEN」や、「不思議の国のアリス」に通じる夢や不条理の世界が描かれています。
この作品の支持層は、女子学生や若い女性と年齢層の高い男性層という、東田さん特有の傾向が、はっきりと現れていましたが、同じようによく見るとクリスマスが描かれている「モカオヤジ」は、オジサン度が高すぎたらしく支持を得ることができませんでした。
東田さんの世界観は、現在ひとつのコンセプトにまとめられて、絵本や商品への展開が検討されています。
その他のベスト10作品は、幾度もランク入りをしているので、特に説明を要する作品はありませんが、入山さんの「夜間飛行」は、ゼネラルイメージとして常設展示となった「Metropolitan Night」と結びついたイメージの作品なので、その得点を受け継いだ形になっているようです。
作者とランク入りを繰り返す作品を結びつけてみると、その作者の支持されている世界観が明らかになってきます。
Kannaさんの「robo」は、「いぬ」「yozora」と交互にベスト10入りを繰り返していますが、共通するものは、思わず応援したくなる「孤独感」でしょう。
「yozora」と似た構図では「雲のムコウガワ」「一等星」「アラカワ」という作品がありますが、微妙に求めるものが違うようです。
最近登場した「DB」は、「アラカワ」のような感傷的なイメージよりも、元気を分けてくれるキャラクターとして支持されているように感じます。
林さんの作品は多才なため焦点が絞りにくいのですが、「ROOM」「クルーザー」が交互にベスト10入りしています。その他にも「STILL LIFE3」「あなたがいた日」がベスト10に入っていますが、その場の雰囲気「空気感」の伝わる作品が支持されていることが分かります。
ベスト10に入らなかった作品では、東田さんの「そら豆」が11位、Hashibaさんの「tokyo girl」「teenager style」が12位、14位と健闘していました。
13位の山崎さんの「ショーウインド」は、クリスマスをテーマにした9枚の連作のひとつです。クリスマスの作品は15位にTAKAさんの「X'mas Festa 2000」、18位に入山さんの「とべとべサンタ」がつけていました。
前回紹介した川口さんの「花かぼちゃ」シリーズは「春」が19位「秋」が21位となりました。
「顔のある風景」作品は、木村さんの作品が定着しつつあります。
現在の展示でも、新規作品が続いています。
Be.Too展示の作品は、「ぴくちゃギャラリーBe.Too」にも展示できますので、会員の皆様には、ぜひ「21世紀初のお年玉」でデジカメを手にいれてください。