美術茶論

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ライブギャラリーBe.Too
第8回ベスト10発表解説1

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2000年03月21日〜03月31日

1位 0099-0005-06
Metropolitan Night 入山 さとし
5位 0099-0005-07
Lighthouse 入山 さとし
久しぶりに入山さんの作品が出展され「Metropolitan Night」が1位に、「Lighthouse」が5位にランクされました。
昨年の作品は、クリスマスのシーズンイメージだったので、「とべとべサンタ」など高ランクの作品も、シーズン終了後に外すことになり、しばらくギャラリーでの展示がなかったのですが、入山さんらしい優しさが「見ていても疲れず、心が和む」癒し系の大きな流れに合っているのでしょう。4月3日からの展示では現在の風景4作品に加え、キャラクター系の3作品が追加展示されていますので、次回の動きに注目したいと思います。

2位 0099-0012-06
STILL LIFE3 林 政良
2位となった林さんの「STILL LIFE3」も、入山さんの作品と通じるものがあります。
前回4位だった林さんの連作の「ROOM」や、これらの作品は、柔らかな色彩とフォルムで、春を思わせるような暖かさと優しさが感じられるので、前回予想したようにシーズン的な要素も強く働いているようです。
林さんと入山さんの作品は、同じ流れで評価されているようですが、視点は大きく異なります。
林さんの視点は「写真」に近く、入山さんは「写真」から離れたところにあるので、展開されるストーリーが、全く別なものになっているのが興味深いところです。

3位 0099-0018-01
Data ocean 新井 啓子
3位の「Data ocean」の新井さんは、今回が初登場です。
Photoshop等を使って、「デジタル・コラージュ」のジャンルの作品を得意としています。この分野は、少し前まではワークステーションレベルの高いコンピューターで実験的に行われていましたが、パソコンの性能が上がり、メモリーの価格が安くなるとともに、急速に広がってきました。技術レベルでは、作者の個性が打ち出しにくいため、作品に対する姿勢や考え方、こだわりがないと、時代性が強いので使い捨てになりやすく、それだけに難しい分野なのですが、新井さんは個展を目指してがんばっています。
Be.Tooで作家としてのスタイルを確立していただきたいと思います。

4位 0099-0002-17
つたに隠れて(北京風景) 佐藤 隆俊
定着した感のある、佐藤さんの「つたに隠れて(北京風景)」が、今回は4位となりました。
モノトーンのこの風景写真は、「顔のある風景シリーズ」と近い作品と思われますが、「見ていても疲れず、心が和む」の流れも強く感じられます。
「顔のある風景シリーズ」は、学生層が薄いときには動きが弱いようですが、ギャラリーのゲストに参加を求めるこのシリーズは、ギャラリーの見学時間によって変化する傾向があります。
現在、ギャラリーでは66点の作品を展示していますが、作品を選んで投票する時間は平均1〜3分程で、気軽に投票してもらうためには、この点数でも多いと感じる人もいるようです。
「作品へのゲストの参加」と「分かりやすさ」の関係は、佐藤さんも関心のあるところなので、これからもチャレンジしていただいて、作家たちとゲストたちが一体になった動きに発展させて行きたいと思います。